
◎ このほかのデザインにも通じるものですが、よしださんの作品には「和」を感じさせる色使いやセンスが感じられますが、なにか下地でもあったんですか。
大学で浮世絵を卒論テーマにしていたんです。デザイン的にも好きでしたし、着物の柄も好きなんですね。でもそれ以前に、私の祖母が昔、長唄をやっていたそうなんです。そんなこと、私はちっとも知らなかったんですけどね。そのせいか、テレビでやる伝統芸能の番組がよくかかっていて、その影響があるのかもしれません。なにしろ小さい頃、大きくなったら何になりたい?と訊かれて「文楽のお人形!」と答えるような子でしたから(笑)。
◎ 昨年のまち飛びフェスタでは、ティーサロンのアン・ガトーさんで個展も開かれていますね。お話会もありましたけれど。
あれは神楽坂に関するブログが人気のブロガー、春菊さんが企画したイベントですね。ここで自分の作品について、初めて人前で話したんですが、私にとっての黒ネコは、まず黒というのがポイントですね。黒って色は色々な色が混じりあった結果でもあるじゃないですか。逆に言うとどのようにも採れる要素がある色なんですね。あれがトラネコとか三毛猫とかになると、それぞれのキャラクターがある程度決まってきてしまう気がするんです。それよりも受け手によってどのようにも採れる黒ネコの方が好きですね。
◎ 受け手次第、ということですね。
同じような私にとってのモチーフに、バラの花があります。私、「花」を描くとバラなんです。個人的にバラの花が好きだという訳では無いのですが、「花」を表現しようと思った時、ヒマワリとか百合とかスズランとかだと、その品種自体に決まったイメージがあるじゃないですか。でもバラはそういったことがあまりなく、意外とその人の心に寄り添うように変化して行くと思うんです。どうもその人がいかようにでも受け取ることができるというのが好きなようですが、これは私が神楽坂に魅かれる理由にも通じているのかもしれません。すごく洗練されたものがあると思えば、一方でベタなものもある。だからここには自分がどうこの街と接して行きたいのか、を問われるようなところがありますね。
◎ 本当に数年の間に、凄いスピードで街に関わられてきた訳ですが、お住まいは神楽坂ではないんですね。
住みたいなと思ったこともありますが、現在住んでいる街もいいところですし。私にとってはある程度の距離があるのがいいのかもしれませんね。だからお金が沢山入ったら、マンションを借りるのではなく、ここまでの定期券とタクシー券を買うくらいですかね(笑)
◎ では、まとめということで(笑)。よしださんにとって神楽坂はどんな街でしょう。

もう無くてはならない街になりましたね。仕事を通してのおつきあいから始まって、私を育ててくれた街だったわけですが、今ではそれ以上に、色々な人との出会いができて、遊び場でもあって…友達が遠くから来た時には、いっしょにご飯を食べに連れて来ることもあるでしょうね。そんな場所です。
◎ 有り難うございました。ますますのご活躍を期待してます。
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(注1)長岡さん:「かぐらむら」を発行しているサザンカンパニー社長の長岡氏。
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