◎ あそこはサーカスやクラウンの芸をを楽しみながら食事をするという、今思えばバブルの産物のようなレストランでしたが、数年で閉めてしまいましたよね。ぽんさんはどうされたんですか?
ロシアに行きました。まあ店が閉まるとか、いろんなきっかけがあったんですが。だんだん舞台に出て行くうちに、自分のレベルを思い知るようになるんです。レストランにいた時にロシアから来た「ミミクリーチ」というクラウンのグループが来て公演したのですが、その「ミミクリーチ」の芸を目の前で見ているうちに、これはロシアに行かなくちゃ、という気分になってきました。でもあっちは4年制。でも4年は嫌だなぁ、とずっと考えていたら、ちょうど短いコースができたので行くことにしました!そこで一人のクラウンの先生から個人レッスンを受けることができて、これも良かったですね。もうおじいさんでしたけれどね。

◎ 個人レッスンでいろいろ教わる訳ですね
その先生はレフさんというんですが、日本でメイクをしてみんなで写っている写真を見せると怒るんです。「こんなにみんなメイクをしていたら、どれがお前だか分からない。メイクを取りなさい」と。それからメイクを取って演じるようになりました。そもそも日本人はのっぺりしていますから、クラウンメイクをすると能面みたいになっちゃって、子供に泣かれること間違いなし(笑)。僕なんか体も大きいからよく泣かれましたよ。ともあれ、レフさんからは誰からもPONTAがいる、と分かるくらいのものを出せるようにと、いろいろ教えてもらいました。その後、帰国してからは、来日したロシアサーカスに出演させてもらったり、ショーの後は彼らと一緒に観光したり、秋葉原家電買物ツアーに行ったり、いろんなことしていました。ツアーガイドみたいなものですから、いちばんウオッカで泣かされた時期…よく飲まされましたね。

◎ マジックの世界に入って行くのはその後ですか。
いろいろな芸能に興味があったのですが、

◎ マジシャンのスタイルといえば、どうなるんでしょうかね。
僕のはね、あんまり凄いことはやらない。中途半端なものをね(笑)やる訳です。マジックも一番集中していたのはやっぱりカーニバル・プラザにいた時期にお客さんの目の前で演じていた頃で、今はその頃の面白いネタにヴァリエーションを加えたものが多いですね。
◎ やっぱり面白さが前面に出るんですね。
真面目なマジックはとても凄いと思うんですが、ちょっと面白みに欠けるところがあるでしょう。例えばカードマジックにしても見慣れてくるとカードが出現するとことか、結末が予想できちゃう。そういったものでお客さんが面白いのかな?と考えちゃうんです。だから僕はいくつかの要素を組み合わせて、ウケように演じてみる訳です。ある時、それが妙にウケてしまい、正攻法で真面目にやっているマジシャンと同じフロアで演じてたら、こっちがウケると、「僕より目立たないでください」って怒られました(笑)。
◎ 得意のジャグリングもやはりクラウン時代に覚えたものですか?
そうです。だから僕の根っこは全部クラウン時代なんですよ。だから僕がジャグリングを始めると(マジックの)後輩たちがビックリしますよ「マジシャンじゃないんですかぁ?」ってね。

◎ ジャグリングはずいぶんやる人が増えましたよね。ぽんさんの得意技は何でしょう。
いやあ僕は練習嫌いなんでね…今の若いジャグラーたちは上手いですよ。クラブを12本使ったり、ボールを10コとかね。僕のはすごいですよ!ほとんど技が無いんだから。例えば三つや四つの玉を使うジャグリングでも、その先はビーズクッションを使った「デカボール」とか、ボーリングの球を使ったジャグリングとか。なるべく技をやらず大きさとか喋りでごまかす!練習嫌いだから(笑)。

◎ でも、PONTAならではのショーを作るというのは、あのロシアでのレフさんの教えからでしょう。
ええ、それと僕はB型なので、もともと、みんなと一緒というのが嫌いなんですね。今の世の中何でも一緒という風潮があるじゃあないですか。あれがとっても嫌ですね。それが芸にも出ているんでしょうね。
◎ じゃあ今年も…まああんまり段取りが良くなることはないかもしれませんが、「坂にお絵描き」でのパフォーマンスで楽しませてもらえますね。期待してます。
は〜い。わかりました。
取材・文・写真/渡部晋也








